フィジー、年内に観光客の受け入れ再開へ
(CNN) 南太平洋の島国フィジーは今年末までに、新型コロナウイルス感染拡大で停止していた観光客の受け入れを再開する構えだ。
同国はこれまで、12月に再開する方針を示してきた。フィジー政府観光局のブレント・ヒルCEOがCNNとのインタビューで語ったところによると、具体的な日程はまだ確定していない。再開後に入国できるのは新型ウイルスのワクチン接種を完了し、PCR検査の陰性証明を提示でき、当局が定める「グリーン・リスト」の国から渡航する旅行者に限られる。リストの基準はまだ公表されていない。
一方、ファイヤズ・コヤ商業・貿易・観光・運輸相は今月3日の演説で、11月の再開を目指していると発言。感染対策に努めて市中感染を抑え、「観光客を迎えられる安全な環境」がつくれることを確信していると述べた。
国営航空会社のフィジー・エアウェイズも再開と同時に十分な便を運航し、ホテル宿泊と合わせたパッケージを用意すると表明している。
国民総生産(GNP)の約4割を観光業に依存するフィジーは、感染拡大で大きな打撃を受けた。バイニマラマ首相は国境封鎖中の昨年夏、外国の富豪30人前後を対象に、3カ月間の滞在を特別に許可したことを明かしていた。
国内の観光業者からは、年内の受け入れ再開を歓迎する声が上がっている。観光客らは到着前に政府が提供するアプリ「ケアフィジー」をダウンロードするよう求められ、このアプリを通して安全基準に従ったホテルを予約することができる。
CNNのデータによると、フィジーで14日までにワクチンを少なくとも1回打った人の割合は33%。ただしバイニマラマ氏はすでに成人の半数が接種を完了したとツイートし、政府の公式ツイートでも対象者の97.2%が少なくとも1回接種したと発表されている。観光局によれば、接種対象になっていない18歳未満の年齢層を算入するかどうかで数字に違いが出ているとみられる。