東南アジアで「ゼロコロナ戦略」見直しの動き、専門家は性急さを警告
ロイター通信によれば、ベトナムは10月からフーコック島に外国人観光客の受け入れを始める計画だ。タイも首都バンコクや他の地域を10月までに外国人観光客に再び開放する計画で、困窮する観光業界の活性化につなげたいとしている。ロイター通信によれば、観光業は国内総生産(GDP)の11%超を担っている。インドネシアも規制を緩和して、公共空間を開放し、工場についてもフル操業を認めるという。
専門家は、フィリピンやインドネシア、タイといったワクチン接種率の低い国々が経済活動を再開するのは西側諸国よりも危険性が高いと警告している。
多くの西側諸国は人口の半数以上がワクチン接種を行っている。例えば、英国は65%、カナダは約70%がワクチンを行った。
東南アジアでは検査の陽性率も依然として懸念されるほど高水準となっている。世界保健機関(WHO)は、経済活動の再開前には、少なくとも2週間にわたって陽性率が5%以下であることを推奨しているが、東南アジアの多くの国々で陽性率は20~30%となっている。
東南アジア諸国が新型コロナウイルスとの共存生活に向かうことをより難しくしている主要な留意点のひとつが提供されているワクチンだ。
東南アジアの多くの国々は中国製のワクチンに大きく依存しているが、中国製のワクチンは一般に欧米製よりも有効性が低い。
専門家は全般的に、ワクチンを接種しないよりは、なんらかのワクチンを打ったほうがいいとの見方で一致しているものの、中国製ワクチンは、米国のファイザーやモデルナのワクチンよりは効果が低い。
外交問題評議会のファン氏は、ワクチン接種率が人口の半分以下で有効性の低いワクチンを利用している場合、病院の能力を超える患者が押し寄せ、規制の再導入につながる可能性があると指摘した。