J&Jワクチン、2回接種で中等症以上の予防効果94%
(CNN) 米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は21日、同社が開発した新型コロナウイルスワクチンについて、2回接種タイプを使った米国内の臨床試験で中等症以上の症例を94%減らす効果が得られたと発表した。
これは米モデルナ製、ファイザー製ワクチンの2回接種を完了した場合の予防効果に匹敵する。同社はまた、J&J製ワクチンを1回打った6カ月後以降に追加接種をすることで、さらに大きな予防効果が得られるとの研究結果も報告した。
J&Jの1回接種タイプのワクチンは、今年2月末に米食品医薬品局(FDA)の緊急使用許可(EUA)を得た。米疾病対策センター(CDC)によると、これまでに米国内で約1480万人が接種を受けている。
同社の研究者はこの日、新たに3つの研究結果を報告した。
まず米国内で実施した2回接種タイプの臨床試験では、8週間の間隔で2回打った場合に重症化リスクが100%、中等症以上のリスクも94%抑えられるとの結果が出た。
世界全体では、中等症以上を防ぐ効果が75%だった。一部の国ではワクチンが効きにくいベータ変異株などの流行期に臨床試験が重なったため、差が出たとも考えられる。
2つ目の研究では、J&J製ワクチンを1回打った後、6カ月以上空けて追加接種すると抗体が12倍に増え、2カ月後に追加接種した場合の4倍をはるかに上回ることが分かった。
3つ目の研究では、7月までに米国内で実際にJ&J製ワクチンの1回接種を受けた39万517人を対象に、健康保険のデータを分析。その結果、新型ウイルス関連の入院を防ぐ効果は60歳未満で86%、60歳以上で78%、全体では81%に上ったことが明らかになった。
対象期間のうち6~7月は、感染力の強いデルタ変異株も広がっていた。デルタ株の感染者が特に多い州では、予防効果が全米の値よりやや低い79%、特に6~7月は78%にとどまっていた。
モデルナ、ファイザー製のワクチンはmRNA(メッセンジャーRNA)を使って必要な遺伝情報を人体の細胞へ届けるという仕組みが共通しているのに対し、J&J製は風邪の原因ウイルスの一つ、アデノウイルスをベースにしたワクチン。モデルナ、ファイザー製の2カ月ほど後でEUAを取得したため、研究データも両社より遅れて出てきた。J&Jは追加接種の検討や2回接種タイプの承認申請に向け、すべてのデータをFDAに提出する方針だ。