96歳の女性被告が逃走、ナチス戦争犯罪裁判の当日 その後発見
(CNN) 第2次世界大戦中、ナチス・ドイツの強制収容所で殺人をほう助した罪に問われている96歳の女性被告が9月30日、同日開始予定だった公判を前に逃走した。女性被告は地元当局によって発見され、今後改めて公判が行われる。
ドイツ北部イツェホーの裁判所の報道官はCNNの電話取材に対し、「女性はドイツ警察によって発見された」と説明。「地元当局は現在、彼女が服役できるかどうかを見極めている」と述べた。
ロイター通信によると、元秘書である女性の氏名はイルムガルド・フルヒナー。起訴状によると、「1万1387件の殺人をほう助した疑い」が持たれている。
被告は当時、現在のポーランド・グダニスク付近にあったシュツットホーフ強制収容所の所長室で速記係やタイピストを務めていた。1943年6月から45年4月にかけて、被収容者の組織的な殺害について収容所責任者を助けたとされる。
フルヒナー被告は当時未成年だったため、公判は少年裁判所で行われる。被告らの裁判はナチス時代の罪状で女性が裁かれる数十年ぶりのケースとなる。
ナチス犯罪の調査を担うルートビヒスブルクの組織によると、シュツットホーフ強制収容所やその関連施設、終戦時の「死の行進」では約6万5000人が死亡した。
ハンブルクの裁判所は2020年7月、同収容所の元看守ブルーノ・デイ被告(当時93)に2年間の保護観察を言い渡していた。