中国、米台の軍事的接触に強く反発 米軍の存在認めた蔡総統の発言受け
(CNN) 中国政府は28日、米軍による台湾軍の訓練支援を認めた台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統の発言を受け、米台間の公的及び軍事的接触に反対する長年の方針を改めて強調した。
蔡総統は26日にCNNとの独占インタビューに応じ、この数十年で総統として初めて、台湾に訓練目的で米軍が存在すると認めた。中国からの脅威は「日々」増大しているとも語った。
蔡総統は台湾に存在する米軍要員の正確な数には言及しなかったが、「人々が思うほど多くはない」と述べた。米国防総省の記録によれば、台湾にいる米軍要員の数は2018年の10人から今年は32人に増えている。
蔡総統は「我々の防衛能力強化のため米国と幅広い分野で協力している」とも述べた。
中国外務省の汪文斌報道官は28日の記者会見で蔡総統の発言について尋ねられると、「一つの中国」原則が米中関係の基礎だと述べてその重要性を強調。米国が台湾海峡で力を誇示することで地域が不安定化していると米国を非難し、台湾の独立は破滅への道になると警告した。
米民主党のエド・マーキー上院議員(マサチューセッツ州選出)は28日朝に出演したCNNの番組で、蔡総統の発言に対する中国側の激しい反発について問われると、対応に注意が必要だとの考えを示した。
マーキー氏は「我々の公的な方針は『一つの中国』政策であり、今後もそうであるべきだ」「米中間の軍事衝突を促すようなことはどのような方法であれしたくない。両国や世界の他国に破滅的な結果をもたらす」と述べ、両国が核兵器を配備する国である点に言及。中国との紛争は、気候変動問題であれ台湾問題であれ「外交上の解決が行われる必要がある」と述べた。
台湾の邱国正(チウクオチョン)・国防部長(国防相)は28日、議員らに対して米軍の訓練教官は台湾軍の訓練を支援しているだけで、台湾に基地があるわけではないと説明。緊張の緩和を図るような姿勢を示した。