戦争で学業中断の日系元学生に謝罪、名誉学位授与へ 米大学
(CNN) 米カリフォルニア州にある南カリフォルニア大学は28日までに、第2次世界大戦に伴い1940年代に学業中断を強いられ強制収容所に送られた多数の日系米国人の元学生に謝罪を表明し、名誉学位を授与する計画を明らかにした。
同大のフォルト学長が来年4月、アジア太平洋諸国などの出身者の卒業生団体の集まりで謝罪などする予定。米国西海岸の内陸部に設けられた強制収容所には日系米国人の約12万人が送致されたという。
同大は、ルーズベルト元米大統領が収容所での処置を命じる大統領令に署名した1942年2月19日、収容所にいた米国生まれの日系人の学生は121人と判断。
戦後、これら学生が復学を試みても同大は大きな障害を突き付け、学位の取り直しを命じ、他の大学での学位獲得に必要な成績証明書の発行なども拒んだとされる。
同大は長年、これら日系学生やその家族から事情を聞き取り、過去に起きた差別行為を調べていた。2007年には名誉卒業生の証明書を授与し、12年には生存が判明した元学生に名誉学位を贈った。
これまでは死去がわかった元学生は名誉学位の対象者とはなっておらず、非常に多くの日系人の元学生が漏れていたともされる。この事情を踏まえフォルト学長は今回、例外規定を講じることにもしたという。
これら元学生が存命していれば90歳代あるいはそれ以上だが、同大は生き長らえている元学生あるいは家族の存在を見つける作業を進めている。
南カリフォルニア大学の卒業生問題担当の幹部はCNNの取材に、歴史的な過ちを直し、最終的に正しい事をなすべき段階に直面していると主張した。