アウシュビッツ収容所跡地でナチス式敬礼、オランダ人旅行客に罰金
(CNN) ポーランド警察は、同国南部にあるアウシュビッツ強制収容所跡地の門でナチス式の敬礼をしたオランダ人旅行者を拘束し、罰金を科したことを明らかにした。
24日の声明で発表した。この旅行者は29歳の女で、逮捕に伴いナチズムを助長した罪で起訴された。
警察によると女は門の前でナチス式の敬礼のポーズを取り、夫がこれを写真に収めた。門は「働けば自由になる」とのスローガンを掲げていることで知られる。
アウシュビッツ博物館の守衛の通報を受け、警察が女を逮捕、拘束した。30歳の夫は証人として事情聴取を受けた。女はナチズムを助長した罪を認めたと警察は付け加えた。
警察の広報担当者が24日にCNNに明らかにしたところによると、女はナチス式の敬礼について「ただの軽はずみな冗談だった」と話した。クラクフの地方検察から罰金も科されたという。罰金の詳細について、CNNは同検察に連絡を取っている。
警察の声明によれば、ポーランドの法律上、被告は最長で禁錮2年の実刑判決を受ける可能性がある。
アウシュビッツ博物館の広報担当者は24日、CNNに宛てた声明でナチス式の敬礼について「人類の恐ろしい苦難に関わるもので、軽蔑と憎悪に満ちている」「あらゆる公共の場において不適切だが、強制収容所跡地で行うのは容認できない。収容所のすべての犠牲者に対する冒涜(ぼうとく)だ」と述べた。
ポーランドのユダヤ教指導者の1人はCNNの取材に答え、犠牲者への敬意としてファシズムや憎悪、外国人嫌悪を一切容認しない姿勢が必要だと強調。警察に通報した博物館の判断は正しかったと述べた。
そのうえで「これを悪い冗談と見過ごすわけにはいかない。罰金は形式的なものだが他の人々へのメッセージになる」と語った。