ベラルーシ当局、国境の移民キャンプを撤去 イラク人移民は帰国開始
ベラルーシのブルズギ・クジニツァ国境地域(CNN) ベラルーシ当局は18日、ポーランドとの国境に設置された検問所にある移民キャンプを撤去した。この仮設キャンプにはここ数週間、多数の移民が集結していたが、数カ月にわたって事態が膠着(こうちゃく)状態に陥り、地域の緊張を高めていた事態が終結に向かうことになった。
ベラルーシの国境警備隊は、ブルズギ・クジニツァの出入国ポイントにとどまっていた移民全員を、倉庫を改造した仮設の事務センターに移送。
シェルターでは0度を下回る気温と劣悪な生活環境から一時的に免れることになるが、ベラルーシ当局は、欧州への入境とより良い生活を夢見て首都ミンスクへと飛行機でやってきた移民たちを今後どう処遇するかを明確にしてない。多くの人々は、今回の収容が強制送還手続きの単なる始まりに過ぎないのではないかと恐れている。
その一方、イラク政府は18日、ベラルーシからの出国を希望した自国民を帰国させ始めた。イラク運輸省は声明で、ベラルーシの国境からミンスクへと移送されたイラク人400人以上がイラク航空機で送還されたと発表。
またベラルーシ政府によると、中東地域の出身者を主とする移民7000人が依然として同国に滞在しており、うち2000人はブルズギ近郊の国境地帯に滞在しているという。
ベラルーシ大統領の報道官は同日、一部の移民は帰国に同意しているものの、大半は依然、主にドイツなど西側諸国への移動が認められるよう主張していると指摘。同国の国営通信によると、意思に反して帰国を押し付けられることはないと説明し、「我々は誰をも無理強いしてイラクやシリアなどの国々へ追いやることはない」と述べた。