5年以内に1.5度の気温上昇、確率50% WMOが報告
(CNN) 世界気象機関(WMO)は10日、世界の平均気温が今後5年間のうちに国際的な抑制目標のラインを超え、一時的にしても産業革命前より1.5度上昇する確率は50%に上るとする報告書を発表した。
報告書は、今年から2026年までの間に少なくとも1年は、気温の上昇幅が1.5度を超える恐れがあると警告。世界の年間平均気温が過去最高記録を更新する確率は93%に達し、5年間の平均が過去5年間より上昇することもほぼ確実と予想している。
15年に採択された温暖化対策の国際ルール「パリ協定」では、産業革命前からの気温上昇を2度未満、できれば1.5度までに抑えることが目標とされた。上昇幅は現在、少なくとも1.1度に達している。
上昇幅が5年以内に一時、1.5度を突破する確率は、15年の時点でほぼゼロとされていた。しかしその後、確率は次第に高まり続けている。
WMOのペッテリ・ターラス事務局長は報告書に添えた声明の中で、1.5度のラインは「無作為に選んだ数値ではない」とし、「気候変動による人間や地球全体への悪影響が大きくなっていく境目を示している」と指摘。温室効果ガスの排出が続く限り気温は上がり続け、海水温の上昇や海洋酸性化、海氷や氷河の融解、海面上昇、異常気象などが進み続けると警告した。