史上最も遠い恒星を観測、今は地球から280億光年の距離

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ハッブル宇宙望遠鏡で、天体観測史上最も遠い恒星が観測された/NASA/ESA/Brian Welch (JHU)/Dan Coe (STScI)/Alyssa Pagan (STScI)

ハッブル宇宙望遠鏡で、天体観測史上最も遠い恒星が観測された/NASA/ESA/Brian Welch (JHU)/Dan Coe (STScI)/Alyssa Pagan (STScI)

(CNN) 米航空宇宙局(NASA)のハッブル宇宙望遠鏡で、天体観測史上、最も遠い場所にある恒星が観測された。質量は太陽の50~500倍で、数百万倍の明るさをもつ可能性があり、今は地球から280億光年離れた距離にある。デンマークや米国などの研究チームが30日の科学誌ネイチャーに発表した。

この恒星は、古い英語で「明けの明星」「上る光」を意味する「エアレンデル(Earendel)」と命名された。エアレンデルが生まれたのは宇宙誕生のビッグバンからわずか9億年後。これまでに発見された中で最も古い恒星は、ハッブル望遠鏡で2018年に観測された恒星で、誕生はビッグバンの約40億年後だった。

エアレンデルが放った光は、129億年かけて地球に到達していた。

「私たちが今見ている光がエアレンデルから放出された時、宇宙はまだ、現在の年齢のわずか6%の10億歳に満たなかった。その当時、原始の銀河系からの距離は40億光年だったが、その光が私たちの所に届く約130億年の間に宇宙が膨張して、今では280億光年のかなたになった」。論文を共著したデンマークのビクトリア・ストレイト氏はそう解説する。

普段我々が夜空に目にする星はすべて銀河系内の星。強力な望遠鏡でも個別の星は近接する銀河のものまでしか見えず、遠くの銀河は数十億個の星の光が混じってぼやっとした姿で見える。

だがアインシュタインが予測した「重力レンズ」は遠い宇宙をのぞく機会を与えてくれる。地球と遠くの光源の間に物体があると、その光が曲げられて地球に届き、拡大レンズのような働きをしうる。

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