「僕をパパと呼んでくれる」 故郷ハイチのゴミの山に男児、救った男性が養子縁組進める
養子縁組のため数万ドルの募金集まる
休暇が終わり、アミシアルさんは留学ビザ・プログラムの条件に従いテキサスに戻ったが、母親に子どもの世話を託しつつ、自分は金銭的な援助を続けた。
1年後の19年、アミシアルさんはエミリオ・エンジェル・ジェレマイヤと名付けた男の子の正式な養子縁組手続きを始めることにした。だがすぐさま壁にぶちあたった。養子縁組の費用が高いことが判明したのだ。
「そう簡単にはいかなかった」とアミシアルさん。「ハイチでは役所関係は一苦労だ。僕が手続きを始めた時には問題なさそうに見えたが、その後彼らは大金を要求してきた。でも僕にはそんな蓄えがなかった」
ハイチでアミシアルさんの弁護士を務めるエスター・シェリー氏は、19年以来ずっとアミシアルさんの養子縁組手続きを行っているとCNNに語った。
「確実に言えるのは、養子縁組はとてもお金がかかるということ」(シェリー氏)
米国の養子縁組支援団体「All God’s Children International」のウェブサイトによれば、ハイチから養子を迎える費用は概算で4万ドル(約550万円)以上。航空運賃や宿泊費、その他渡航にかかる費用は含まれていない。
20年、アミシアルさんはエミリオくんの養子手続き費用をためてハイチの家族を養うべく、コミュニケーションを学んでいた学校を休学し、仕事に専念することにした。今は庭師と配達アシスタントのアルバイトを掛け持ちしている。
7月27日には養子縁組費用の寄付を募る募金サイトも立ち上げた。
目標額は6万ドル。19日朝の時点で7万9000ドルの募金が寄せられた。
「あなたの子育ての旅に愛と希望がありますように」。20ドルを募金したあるユーザーは、ハートの絵文字つきでコメントした。
すでに目標額は達成しているが、アミシアルさんは余剰分をエミリオくんの教育費用や地元ハイチの孤児院支援に充てるつもりだとCNNに語った。また自らもNPOを設立して、母国の孤児や困っている家族を支援したいと考えている。