パリの空港で暮らし続けた男性、空港内で死去 スピルバーグ監督映画のモデル
(CNN) フランス・パリのシャルル・ドゴール空港で長年暮らし続け、2004年のスティーブン・スピルバーグ監督映画「ターミナル」のモデルになったイラン難民の男性が12日、同空港内で死去した。
同空港の広報によると、亡くなったのはメフラン・カリミ・ナセリさん。第2ターミナルで空港の医療班が死亡を確認した。自然死だった。
ナセリさんは1988年、ベルギーとフランスを経由して英国に向かう途中で書類をなくし、航空機に搭乗することも空港から出ることもできない足止め状態が2006年まで続いた。
一時は介護施設に滞在していたが、今年9月半ばから、再び同空港内の公共エリアでホームレスとして暮らしていたという。
ナセリさんは同空港のシンボル的存在だったと広報は話し、職員たちが長年、できる限りの面倒を見ていたと説明した。
映画「ターミナル」はトム・ハンクス主演。空港広報担当者は、「スピルバーグ監督は彼が乗り継ぎロビーに閉じ込められているように描いていたが、実際には何度かそこに滞在したものの、いつも空港の公共エリアにいて、いつも自由に動き回ることができていた」と打ち明けた。
一時はフランス当局がフランス居住を打診したこともあった。しかしナセリさんは最初の目的地の英国へ行きたいという理由でその申し出を断ったと伝えられている。