ワシントン(CNN) ウクライナで昨年秋に撃墜されたイランのドローン(無人機)1機の中から、米国などの西側企業十数社が製造した部品が見つかったことが分かった。CNNが独占入手したウクライナ情報機関の分析から明らかになった。
分析内容は昨年末、米政権の当局者に伝えられた。バイデン政権はイランによるドローン生産を停止させると言明しているが、今回の分析は政権が直面する問題の大きさを浮き彫りにするものだ。
CNNは先月、米国など西側諸国の技術がイラン製ドローンに使われるに至る過程を調査するため、ホワイトハウスが政権を挙げた特別チームを発足させたと報道。この中には半導体やGPS(全地球測位システム)モジュールのような小型装置からエンジンのような大型部品まで、多岐にわたる技術が含まれる。
CNNが今回入手した分析によると、ウクライナがイランの「シャヘド」ドローンから取り出した部品52個のうち、40個は米企業13社によって製造されたとみられる。
残り12個はカナダやスイス、日本、台湾、中国の企業によって製造されたものだった。
対策として取れる選択肢は限られている。米国はイランによる高性能部品の入手を防ぐため、長年にわたって厳しい輸出管理や制裁を科してきた。米当局はこうした制裁の履行強化を図る構えで、企業にサプライチェーン(供給網)の監視強化を促したり、製品を入手して問題のある国に転売する第三者流通業者を突き止めようと試みたりしている。
ロシアは今もウクライナ各地でイラン製ドローンの使用を続けており、民間人居住地域や重要インフラを目標に激しい攻撃を加えている。米当局者によると、ロシアはイランの支援により自前のドローン生産工場を建設する準備も進めているという。
ウクライナのゼレンスキー大統領は2日、ウクライナ軍が2日間で80機以上のイラン製ドローンを撃墜したと明らかにした。