ウクライナ軍の対人地雷の使用、国際人権団体が調査促す
(CNN) 国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)」は1月31日、ロシア軍の占領下にあったウクライナ北東部ハルキウ州イジューム市内外でウクライナ軍が対人地雷を明らかに投入した疑いがあるとする新たな調査報告書を公表した。
その上でウクライナ軍に対し事実関係の調査を促した。同団体はこの中で、チョウのような形をした空中散布式の「バタフライ地雷」などと呼ばれるPFM対人地雷を積んだロケット弾が、ロシア軍施設に近い占領地へ撃ち込まれた事例が多数あるとの証拠を得たと主張。
HRWの兵器担当部門責任者は、ウクライナ軍はイジューム市周辺で地雷を広範に敷設したともみられ、民間人が犠牲となりそのリスクは今なお続いていると指摘した。
「ロシア軍はウクライナ内で対人地雷を再三用い、全土で残虐行為を犯しているが、それがウクライナによる禁止兵器の使用を正当化するわけではない」とも説いた。
HRWは、対人地雷の投入は国際人道法の違反であり、民間人と戦闘員に差別なく被害を与えると強調した。
同団体の報告書を受けウクライナ外務省は、関係する機関が適切に内容を精査するだろうと説明。同国は人道に対する罪やロシア占領者たちによるウクライナ国民の大量虐殺などに反対する国際的な責務を十分に果たしているとも述べた。
ウクライナ軍は昨年9月、約半年にわたって占領されていたイジュームを奪還し、ロシア軍に戦略的に甚大な痛手を与えてもいた。