ウクライナ全土で反汚職の家宅捜索 多額の現金や高級時計、車が見つかる
(CNN) ウクライナ当局はこのほど、汚職撲滅のための家宅捜索を全国規模で実施し、多額の現金や高級時計、車を発見した。
捜索対象者の中には政府の税務当局のトップ代理も含まれる。この人物は未納の税金450億フリブナ(約1560億円)を見逃す計画に関与していたとみられる。
ウクライナ国家捜査局(SBI)は1日、このトップ代理の自宅から数十万ドルの現金と複数の高級時計、車を発見したと明らかにした。CNNはこのトップ代理に連絡を取り、コメントを求めようとしている。
ウクライナ保安局(SBU)は一連の家宅捜索について、国内にいるいわゆる「内なる敵」との戦いの一環だと説明。SBUを率いるマリューク長官は声明で「不敵にもウクライナに害を及ぼそうとする全ての犯罪者、とりわけ戦時にそうした行為に及ぶ犯罪者は、自分たちの手に手錠がかかることをはっきりと理解しなくてはならない」と述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、欧州連合(EU)当局者らとの会談に先立ち、自身の政府が「新たな改革」に取り組んでいると表明。改革を通じ、国が「より人間らしく、一段と高い透明性と実効性を有する」ことになるとの見解を示していた。3日に予定されている会談では、ウクライナのEU加盟の可能性について協議する見通し。
EUの行政執行機関、欧州委員会の報道官は1月24日、汚職対策が「EU加盟のプロセスにおいて重要な側面になる」と述べていた。