中国の海面水位、過去最高を更新 上海などの沿岸都市に脅威
香港(CNN) 中国の沿岸地域の海面水位が世界平均を上回るペースで上昇し、2年連続で過去最高を更新したことが明らかになった。金融拠点・上海などの沿岸都市に深刻な脅威を及ぼしている。
中国自然資源省の当局者が12日の記者会見で明らかにしたところによると、中国の沿岸地域の海面水位は2022年、1993~2011年の平均より94ミリ高くなり、1980年の記録開始以降で最高に達した。
過去最高を記録した2021年に比べ、10ミリ上昇した計算になる。
同省海洋予測・監視部門の責任者によると、中国沿岸部では地球温暖化の影響で海水温が大きく上昇し、海面水位の上昇が加速している。
中国の海面水位は1980年以降の平均で3.5ミリ、93年以降の平均で4.0ミリ上昇しており、同じ期間の世界のペースを上回っているという。
米航空宇宙局(NASA)によると、過去30年、世界の平均海面水位は1年あたり3.4ミリ上昇した。
中国の人口約14億人のうち約45%、経済生産高のうち半分以上は沿岸地域に集中する。沿岸地域には上海を含む重要都市や、港湾都市の天津、ハイテク産業の中心地である深センが位置する。
中国では過去40年、沿岸部の海面上昇が沿岸生態系の破壊や、干潟の消失などといった長期的影響を及ぼしてきた。地下水の供給に影響が出ているほか、暴風雨や洪水などの被害拡大にもつながっているという。