ローマ教皇、女性の投票を初めて承認へ 世界代表司教会議で
ローマ(CNN) ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は29日までに、今年10月に開催予定の世界代表司教会議(シノドス)で、女性の投票権を初めて認めるとの考えを示した。
同会議での投票権はこれまで司教のみに許されていたが、教皇は会議への参加人員を増やし、一般信者と女性をこれに含める指針を認めた。シノドスの運営当局によると、司教以外の新たな参加者70人のうちの半数は女性になるだろうとした。
シノドスは、教皇の求めで招集され、特定の議題を話し合う協議組織となっている。規則の設定や教会の教義の変更に関係する権限は持たないが、教皇への提言内容の賛否で投票権が与えられている。
今回の教皇の決定について教皇庁のシノドス担当責任者である枢機卿は記者会見で、「革命ではないものの重要な変化」とその意義を強調した。女性の参加者が増えることに触れ、「世の中のあり方はそういうものになっている」とも述べた。
今年のシノドスの主要な議題は、教会運営における多くの問題への対応で一般信者の関与を引き込む方途になるとされる。
女性の聖職者の権利拡大などを求めてきた米国の女性団体WOCは今回の教皇の決定に触れ、自らの運動が目指す目的ではないとしながらも、相応に歓迎する報道機関向けの声明を発表。女性の昇進などに絡む組織内の障壁などを意味する「ガラスの天井」をもじり、「ステンドグラスの天井に大きなひびが生じた」とも形容した。