ノルウェーで亡命希望した元ワグネル指揮官、帰国を決める
(CNN) ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の元指揮官で、ノルウェーに政治亡命を申請したアンドレイ・メドベージェフ氏(26)がロシアへの帰国を決めたと語った。
メドベージェフ氏はロシアの人権活動家ウラジーミル・オセチキン氏とのインタビューで、オスロのロシア大使館に連絡し、帰国を可能にするように依頼したと明らかにした。
メドベージェフ氏はこれまでいくつかのインタビューに応じ、自分が出国しノルウェーで亡命を希望したのはワグネルによる離脱者の処刑が原因だったと説明していた。CNNに対しては、ウクライナの前線で残忍さと無能さを目撃したと述べていた。ワグネルはロシアのウクライナ侵攻で重要な役割を担っている。
メドベージェフ氏は今年1月に徒歩でロシアとノルウェーの国境を越えて、政治亡命を希望した。
ただ、ノルウェーでの滞在は完全に平穏なものとは言えなかった。先月にはオスロのバーの前で起きたけんかと公共の場でのエアガン携帯で罪を認めた。
メドベージェフ氏は一連の短い動画の中で、6月10日に亡命申請を取り消すと述べた。
メドベージェフ氏はウクライナへの投降を理由にワグネルに処刑された元受刑者のエルゲニー・ヌジン氏の指揮官だった。ウクライナ当局によると、ヌジン氏はロシアへの帰国を自ら決めた。同氏がハンマーで処刑される様子はSNSに出回り、ワグネルの過酷さを示す形となった。
メドベージェフ氏は1月のCNNとのインタビューで「彼らは戦いたくない者を取り囲み、新人の前で撃つ」「戦闘を拒否した2人の受刑者を引っ張り出して全員の前で撃ち、訓練兵が掘った塹壕(ざんごう)に埋めた」と語っていた。