安楽死処分のセイウチが銅像に、「歴史の教訓になれば」 ノルウェー

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公開されたセイウチ「フレヤ」の銅像=4月29日、ノルウェー首都オスロ/Annika Byrde/NTB/AFP/Getty Images

公開されたセイウチ「フレヤ」の銅像=4月29日、ノルウェー首都オスロ/Annika Byrde/NTB/AFP/Getty Images

(CNN) ノルウェーの首都オスロの港に出没して人気を集め、安全上の懸念から昨年夏に安楽死処分となったセイウチ「フレヤ」の銅像が、4月29日に披露された。

現地の水際に実物大のフレヤが横たわっている。オンライン募金で制作費2万5000ドル(約340万円)が集まった。

アーティストのアストリ・トノヤン氏は趣旨に賛同し、ほぼ無償で制作にあたった。

フレヤは昨年SNS上で旋風を巻き起こした若い雌のセイウチ。ほかのセイウチと違って人を怖がらず、ボートによじ登って日光浴する動画などが拡散した。

ノルウェーの漁業当局は観光客らに対し、フレヤに近寄りすぎないよう求めたが、無視して近くで写真を撮ったり、物を投げつけたりする例が後を絶たず、当局は「人間の安全が優先」として安楽死処分を決めた。

トノヤン氏はCNNとのインタビューで、銅像が「三次元の歴史の教訓」になることを願っていると述べた。人々が自然だけでなく、人間を虐待する能力も持つことを示す「不滅のシンボル」を目指した。

同氏は、漁業当局がもっと早く倫理的な方法で対応し、フレヤを別の場所へ移すべきだったと主張。対応が遅れて人々に危険が及ぶ状況となり、その場しのぎの対策を決めてしまったと批判する。

トノヤン氏は同時に、銅像をつくったのは当局への憎悪をあおるためではなく、人々に体制全体を問い直すよう促すためだと強調した。

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