中ロ、G7広島サミットに反発
(CNN) 民主主義国の各国首脳は広島で開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)で、ロシアを対象とした新たな制裁の実施を約束したほか、中国に対する懸念の高まりを足並みをそろえて表明した。一方、ロシアや中国がこれに反発を示している。
ロシアのラブロフ外相は20日、G7がロシアと中国を「抑止」することを目的とした議題で、「自らの偉大さ」に酔っていると一蹴した。
中国の外務省は、G7の首脳が国際平和を妨げていると非難し、G7は自らの行動を反省して軌道修正を行う必要があると述べた。
ロシアによるウクライナ侵攻と自己主張を強める中国への対応の二つが、3日間にわたったG7サミットで主要な議題となった。G7サミットの会合にはウクライナのゼレンスキー大統領も訪日して参加した。
G7は20日に発表した「G7広島首脳コミュニケ(声明)」で、世界2位の経済大国である中国と協力することの必要性を強調するとともに、中国の有害な慣行や威圧に対抗する姿勢も示した。
G7は、ロシアが戦争に必要な資金を調達する能力を抑止するための新たな措置に取り組むことを約束したほか、経済安全保障での協調を強化すると明らかにした。これは、中国やロシアが貿易を武器化しているとみているG7からの言葉を選んだ警告だった。
G7の合意は、重要な経済的パートナーである中国とどう付き合うかについて見解は異なるものの、欧州の一部の国で中国に対する態度が硬化していることを示しているといえそうだ。米国は中国を国際的な秩序に対する最も深刻な長期的課題とみている。
中国は、G7に対して、米国の「経済的な威圧」の共犯者にならないよう求めた。
中国外務省は声明で、大規模で一方的な制裁やデカップリング(切り離し)、産業とサプライチェーン(供給網)の破壊は、米国が経済や貿易関係を政治化している本当の強要者であることを示していると述べた。
今回のG7サミットには、メンバーのカナダとフランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国、国家ではないメンバーとして欧州連合(EU)が参加し、インド、インドネシア、オーストラリアなどの首脳も招待された。