ミャンマー軍政の兵器輸入10億ドル、大半が中ロ クーデター後
(CNN) 国連は21日までに、ミャンマーの民主派政権を駆逐したクーデターを2021年2月に起こした軍事政権がこれ以降、海外から調達した兵器や軍装備品は少なくとも10億米ドルに達し、その多くはロシア、中国とシンガポールからだったとする新たな報告書を公表した。
これら3カ国の個人や企業を主要な供給元と位置づけた。ミャンマー問題の国連特別報告者のトム・アンドリュース氏は報告書発表に伴い、「254の輸出元」を突き止めたとし、ミャンマー軍政は国内での製造もにらみ兵器や軍用への転換可能な物資を輸入しているとも断じた。
今回の報告書作成では貿易データなどを活用。関連する取引の94%の最終的な引き取り先は軍政だったことは明白だったと指摘。ロシア企業などとの取引は約4億600万ドル、一部の国営企業が関与する中国とは約2億6700万ドルだったとした。
シンガポールに由来する輸入額は約2億5400万ドルだった。アンドリュース氏はシンガポール政府がミャンマー軍政への兵器販売や移転を承認などしたことを示す情報は入手していないと説明。ロシアや中国とは異なる状況になっていると補足した。
ミャンマーでは軍事クーデター後、反発する民主派勢力との衝突が全土で頻発してもいる。軍政は民主派勢力を「テロリスト」とこき下ろし、拠点へ空爆などの攻撃を仕掛けている。民間人の犠牲者は子どもを含め数千人規模ともされる。