ロシア経済、西側の「前例ない圧力」に耐える強さ誇示 プーチン氏
(CNN) ウクライナへの侵略を続けるロシアのプーチン大統領は24日までに、国内経済の現状に触れ西側諸国による「前例のない圧力」に耐えているとし、「安定かつ均衡の段階」にある強靱(きょうじん)な力を示していることを誇示した。
連邦国家予算の2024~26年の編成に関するテレビ会議に参加して述べた。ロシアの国内総生産(GDP)は21年以来の水準に達したとし、政府は安定的かつ長期的な開発をさらに進めるための環境条件づくりに乗り出しているともした。
今年7~8月期における石油・天然ガスの歳入額は昨年の規模にほぼ回復したとし、活発な増大基調にあるとも主張した。
ただ、ロシア通貨のルーブルは先月、対ドルで一時は米1セント以下までとなる過去17カ月間での最安値を記録。これを受けロシアの中央銀行は緊急会合を開き、政策金利の引き上げを発表していた。
一方でロシアの戦費支出が国内経済の安定的な運営を損ね続けているとのデータも伝えられている。
ロイター通信は先月初旬、確認した政府文書の内容として国防費の今年の支出は約9兆7000億ルーブルと当初の見通しの倍増の水準になったと報道。昨年2月に始まったウクライナ侵攻前の2021年の水準に比べほぼ3倍とも伝えた。
世界各国の軍事費を追っているスウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は、この数字は過少評価の可能性があるともした。ロシアの公式予算枠の中で「国家防衛」への支出額は全体的な軍事費の中で約4分の3を占めていると推定した。
英国の王立防衛安全保障研究所の専門家はロシアによる今年の軍事費は1000億ドルを突破するだろうと示唆。ウクライナ侵略の前のロシアの防衛費は年間あたり、国内総生産(GDP)比で通常は約3~4%だったとし、現段階では8~10%に達する可能性があるとした。
プーチン大統領は昨年12月、軍首脳との会合で予算的な制約はないと豪語。「国や政府は軍が何を求めてもこれに応える」と請け負ってもいた。
侵略開始から長期間が経過し、この約束は果たしているようにみられる。12月の会合の数週間前、プーチン氏は23年の国家防衛予算に4兆9800億ルーブルを割く予算案に署名していた。昨年の支出額をわずかに上回る水準だった。