1度目の接近の際、当該のヘリコプターを操縦していたミレン氏は、海上約900メートルの高さを水平飛行中に複数のJ11機が異常接近を行ったと説明。ヘリコプターの周囲を円を描くように飛び始めたと述べた。
距離を狭めてくる戦闘機が起こす乱気流を受け、ヘリコプターは危険な状況に陥ったという。最終的にミレン氏は自機を高度約60メートルまで降下させた。この高度ならヘリコプターは飛行できるものの高速飛行する戦闘機は操縦が非常に困難になるという。
ミレン氏によれば、カナダ軍の飛行士らはこの日のような異常接近の対処方法について訓練を受けている。今後も南シナ海の国際水域上空の飛行は継続する方針だという。
3日の定例記者会見で異常接近について質問を受けた中国外務省の報道官は、「言及された状況については関知してない」とした上で、「これまで何度も繰り返した通り、カナダ軍機が中国領空付近で行う偵察活動について、我々は断固とした姿勢で臨む」「カナダ側がその不適切な行為を止め、状況の一段の複雑化を避けてくれるのを期待する」と述べた。
CNNは中国国防部にコメントを求めている。
広大な南シナ海のほぼ全域を巡り、中国は歴史上の領有権があると主張。2014年以降は岩礁や砂州を埋め立てた人工島を建設し、軍事拠点化している。