記録的な干ばつに続く豪雨、ソマリア全土で数十万人が被災
(CNN) 東アフリカのソマリア各地で豪雨による洪水被害が拡大し、当局が非常事態を宣言した。被災地では数千人が孤立し、数十万人が避難を強いられている。
ソマリアは数カ月前まで干ばつが何年も続いて雨季になっても雨が降らず、人道危機状態に陥っていた。
しかし10月に発生したエルニーニョの影響で鉄砲水が相次ぎ、ソマリア災害対策当局の5日の発表によると、少なくとも10人が死亡した。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は、これまでに10万人以上が避難したとしている。大きな被害が出ている南部ジュバランド州では、氾濫(はんらん)したジュバ川の流域に住む推定2400人が洪水のため身動きできなくなっている恐れがある。
OCHAの6日の発表によると、ジュバランド州の地元当局は、孤立した約1万4000世帯に対する緊急支援を訴えている。
ほかの地域でも大きな被害が出ている。ソマリア国営放送局は6日、南西州のバイドア地区を上空から撮影した映像を放映した。建物はほぼ水没し、取り残された住民を救出する懸命の作業が続けられていた。
OCHAによれば、最も大きな被害が出ているジュバランド州と南西州では、それぞれ20万人以上が被災した。
プントランド州でも避難民キャンプが大雨と洪水で破壊されたり、電力供給やインターネット接続が寸断されたりする被害が広がっている。
ガルムドゥグ州では少年少女3人が洪水でおぼれて死亡。南西ソマリア州でも子ども2人が死亡した。
ソマリアでは、史上最長級の干ばつが数カ月前に終わった。 国連児童基金(ユニセフ)によると、この干ばつのために5歳未満の子どもを中心に4万人以上が命を落とした。