ハマス奇襲の「首謀者」、ガザ「地下」に潜伏 イスラエル軍
(CNN) イスラエル軍は9日までに、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織「ハマス」が今年10月7日にイスラエルに仕掛けた大規模奇襲の「首謀者」とみているガザにおける最高指導者のヤヒヤ・シンワル氏は、同地区の「地下」に潜伏しているとの判断を示した。
声明で、詳しい潜伏場所については触れなかった。イスラエルは大規模奇襲に関連し、捕捉すべき最重要のハマス幹部としてシンワル氏の行方を追っている。
イスラエルのネタニヤフ首相は6日、ガザ南部にあるシンワル氏の家をイスラエル軍が包囲していることを公表。ただ、イスラエル軍は同氏が家内にいなかったことを明らかにしていた。
軍のハガリ報道官は会見で、シンワル氏の家はガザ南部ハンユニスにあると指摘。「テロの基盤であり、司令部もある」と述べた。「我々の役目は彼を探し出し、抹消(まっしょう)することだ。できる限り早く実行する必要がある」と続けた。
ネタニヤフ首相の上位顧問は先にCNNの取材に応じ、「シンワル(氏)の家の包囲は勝利を象徴する」と誇示。「実際の勝利ももうすぐあるだろう。捕まえるのも時間の問題」とした。
ハマスによる大規模奇襲の立案については、シンワル氏のほかに複数が関与しているとの可能性も指摘されている。
シンワル氏のハマスでの活動歴は長く、責任者として軍事部門を創設。この後は、ハマスの文民部門や政治部門での指導者としてアラブ諸国との新たな関係づくりに関与した。
2017年にはハマスの主要な意思決定機関である政治局のメンバーに選ばれ、ガザ地区での政治指導者としての地位を得た。シンクタンク「欧州外交評議会」によると、この後には政治局の実質的な指導者に上り詰めたという。