ガザ住民の半数、飢えに直面 食事なしの生活何日も 国連
(CNN) 世界食糧計画(WFP)は21日までに、軍事衝突が続くパレスチナ自治区ガザ地区の住民の半数が飢えに苦しむ窮境にあると報告した。地区の人口は200万人以上。
同機関はSNS上で、イスラエル軍の爆撃にさらされる住民は食べ物を何日間も口にせず過ごす生活を強いられているとも強調。ガザに入ってくる援助物資は実際に必要な量のほんの一部も満たしていないと訴えた。
中東などを担当するWFPの責任者はカナダCBC放送との最近の会見で、ガザが必要とする食料のうちわずか1割分のみが過去70日間に搬入されたにすぎないとも主張した。
WFPは2週間前、ガザ地区北部の家庭の97%、同南部では83%が不十分な量な食事にあえいでいると指摘。これ以降、居場所を失った数万人規模の住民が安全な居住環境を求めてガザ南端部のラファへ移ってきたと国連人道問題調整事務所(OCHA)はみている。結果的にラファは今やガザで最も人口過密の場所と化した。
OCHAによると、WFPは19日、ラファで基本的な食料をそろえたものを住民2350人に、温かい食事を1750人に配った。援助物資の配給所には食料、水、避難先や保護を頼めるすべに困っている数千人が並んだとし、居住先を追われた住民が身を寄せる非公式の退避場所や間に合わせの収容施設にはトイレや保健衛生対策の設備もないとした。
国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」は18日、ガザで飢餓を戦争の武器として使っているとイスラエルを非難し、「戦争犯罪である」と指弾する報告書を公表していた。イスラエル政府の報道担当者は「うその主張」と切り捨て、物資不足はガザを実効支配するイスラム組織「ハマス」の責任と反論していた。