イラク最大の親イラン武装組織、対米攻撃の停止を発表
(CNN) イラク最大の親イラン武装組織「カタイブ・ヒズボラ」は30日、米軍に対する軍事作戦を停止すると発表した。
カタイブ・ヒズボラは声明で、イラク政府が面目を失う事態を避けるために「占領軍」への軍事、治安作戦を停止すると述べた。
そのうえで、パレスチナ自治区ガザ地区の仲間を別の方法で守り続けると表明。戦闘員らに対し、米国からの敵対行為があった場合は当面、受動的な防御にとどめるよう呼び掛けた。
カタイブ・ヒズボラは、イラクの親イラン勢力を統括する「イラクのイスラム抵抗運動」の傘下で最も有力な組織と位置付けられてきた。
28日にヨルダンの米軍基地で米兵3人が死亡したドローン(無人機)攻撃について、米国はカタイブ・ヒズボラの犯行だった可能性が高いとの見方を示している。
米国防総省の報道官は30日の記者会見で、攻撃停止の発表は聞いていると述べる一方、「行動は言葉よりも雄弁ということ以外、特にコメントはない」と語った。
米軍は昨年10月にガザ地区での衝突が始まってから、米軍施設への攻撃に対抗し、イラクとシリアでカタイブ・ヒズボラなどの武装組織に報復攻撃を仕掛けてきた。それでも米軍への攻撃は続き、米当局者らによると10月以降、中東地域で合わせて約166回に上っている。