中国軍機、公海上で豪海軍ヘリに照明弾 豪首相「全く容認できない」
韓国・ソウル(CNN) オーストラリアは、中国の戦闘機が先週末、黄海の公海上で豪海軍のヘリコプターの進路に照明弾を投下したと発表した。アルバニージー豪首相は7日、CNNの提携局「9ニュース」のインタビューで、この行為を「全く容認できない」と糾弾した。
豪国防省は、当該のMH―60Rシーホークヘリが事案発生当時、国連による北朝鮮への制裁を履行するため哨戒していたと説明。中国の行動はヘリの乗組員の命を危険にさらすものだったと述べた。
マールズ国防相は6日、9ニュースに対し、中国機は「シーホークヘリの前方約300メートル、上空約60メートルに照明弾を投下した」と述べた。
被害や負傷者は報告されていないが、照明弾が当たることで回転翼が損傷したり、エンジンが巻き込んだりした場合、ヘリコプターの墜落につながる可能性がある。
この事案は、中国軍と他国の公海での対立が増加する中での最新の事例であるとともに、豪中が数年にわたり続く貿易摩擦と緊張関係を経て歩み寄りを模索する中で起こった。
中国は軍による行動を擁護し、安全ではなかったとするオーストラリアの主張に反論した。
中国外務省の林報道官は、「国連安保理決議の履行を装い、オーストラリアの軍艦や航空機が意図的に中国の領空に接近し、問題を引き起こして挑発し、中国の海上および航空の安全を危険にさらした」と述べた。
林氏は「中国軍は警告として現場で必要な措置を講じた。関連する行動は合法で法令を順守するものであり、職業的かつ安全なものだった」と説明した。
中国国防省は別の声明で、オーストラリアのヘリが中国の「通常の訓練活動」中に「接近して偵察」を実施していたと述べ、撤退を警告する行動は「合法的」だと主張した。また、オーストラリアを「虚偽の話を広めている」として非難した。
アルバニージー氏は7日、9ニュースのインタビューで、中国の行動は「全く容認できない」と断じた。ヘリの乗組員らは公海、公空上で、世界が国連を通じて北朝鮮に科した制裁が確実に履行されるよう業務を遂行していたのであり、いかなる危険にもさらされるべきではなかったと語った。
アルバニージー氏は中国政府に「外交を通じて適切に抗議」しているとし、「我々は中国に対し、中国の行動は職業倫理に反するものであり、容認できないということを明確に伝えたところだ」と述べた。