豪政府、マスク氏と法廷闘争 教会刃物事件の動画削除めぐり
豪ブリスベン(CNN) X(旧ツイッター)のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)とオーストラリア政府は、今月初めにシドニーの教会で16歳の少年が司教を刺したとされる瞬間を映した動画をXが公開する権利をめぐり、オンライン上と連邦裁判所で数日間にわたり対立している。
オーストラリア当局は、この動画は襲撃後に教会の外で発生した暴動を助長したものであり、潜在的な犯罪者を過激化させる可能性のあるグローバルなプラットフォームで一般公開されるべきではないとしている。
当局はSNS大手各社にこの動画を削除するよう命じた。
当局によると大半はこれに応じたが、Xは十分な措置を取らなかった。
オーストラリアはXに対し、VPN(仮想プライベートネットワーク)を利用することで現地の禁止措置を回避できる可能性があることから、オーストラリアのユーザーに対し動画を非表示にするだけでなく、完全に削除するよう求めている。
Xはこれを言論の自由に対する攻撃だと反論している。
マスク氏はXに、オーストラリア当局が要求しているように、どの国でもすべての国のコンテンツを検閲することが許されるのであれば、どこかの国がインターネット全体をコントロールするのを阻止するにはどうすればよいのか懸念していると投稿した。
オーストラリアのアルバニージー首相は23日、マスク氏を「自身のことを法律や良識よりも上であると考える傲慢(ごうまん)な億万長者」と非難した。