豪政府、マスク氏と法廷闘争 教会刃物事件の動画削除めぐり
見る権利
襲撃事件から1週間以上が経過した24日、問題の動画はオーストラリア・ユダヤ人協会(AJA)のXアカウントでまだ閲覧可能だった。デビッド・アドラー会長はCNNに対し、Xからもオーストラリア当局からも削除は求められていないと語った。
アドラー会長によると、AJAはXから電子メールを受け取った。メールには、動画がオーストラリアの法律に違反しているため、オーストラリア当局から同社に削除要請の連絡があったことが書かれていた。
CNNが確認したメールの中でXは「我々は、あなたがこの要請を評価する機会を持ち、適宜、自身の利益を守るために適切な行動を取ることを望む」と述べている。
AJAが動画を削除しないのは、アドラー氏がこの動画を人々に見てもらうことが重要だと考えているからだ。
同氏は、「安全の問題はユダヤ人社会にとって重大な関心事だからだ。政治家たちは過激主義のリスクを十分に真剣に受け止めていない。そして、何が起こったかを正確に示すことの利点の一つは、市民が(こうした問題に)気付くことだ。政治家は世論の圧力なしには動かないことが多い」と述べた。
当局はCNNに対し、投稿者にコンテンツの削除を強制する権限はないが、コミュニティーへの害を最小限に抑えるため「現実的かつ合理的なあらゆること」を行うようプラットフォームに求めていると語った。
マスク氏対オーストラリア
マスク氏が動画の削除を拒否したことで、オーストラリア当局はXに対し、措置を講じなければ1日につき最高78万2500豪ドル(約8000万円)の罰金を科すという法的措置を取った。
Xの弁護士は24日、Xはその立場を変えておらず、オーストラリア当局の「過剰管轄」に対し戦うつもりであることを明らかにした。