イスラエル内部に「ハマス統治のまま停戦」説か 米紙報道、ネタニヤフ氏は否定
(CNN) 米紙ニューヨーク・タイムズはイスラエル当局者らの話として、パレスチナ自治区ガザ地区でイスラム組織ハマスに統治を続けさせたまま停戦に入る案が浮上していると伝えた。イスラエルのネタニヤフ首相は、この考えを否定している。
ニューヨーク・タイムズによると、イスラエルの現旧治安当局者6人が、ガザ停戦は人質解放を実現する最善の道で、隣国レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの地上戦に備える時間も確保できると主張した。ほとんどが匿名を条件に語ったという。
同紙によると、イスラエル国家安全保障会議の元議長で現在も軍幹部らと日常的に接触しているというエヤル・フラタ氏は、「軍は人質解放と停戦の合意を全面的に支持している。ハマスへの軍事作戦は今後、いつでも再開できるとの考えだ」と述べた。
戦争が延々と続くシナリオも懸念されるなか、同紙が取材した当局者のうち4人がフラタ氏に同意し、「人質の解放と引き換えにハマスを当面権力の座にとどまらせるのが、イスラエルにとって一番ましな選択肢」との認識を示したという。
この報道に対し、ネタニヤフ氏は声明で「匿名の情報源がだれなのか知らないが、これは起こり得ないとはっきり言っておく。戦争が終わるのは、イスラエルがハマス壊滅と人質全員の解放を含む目標をすべて達成した時だ」と強調。「ニューヨーク・タイムズの紙面であろうがどこであろうが、われわれが敗北主義の風に屈することはない」と主張した。