「徴兵には応じない」、超正統派ユダヤ教徒が兵役の義務化に抗議 エルサレム
(CNN) 中東エルサレムの超正統派ユダヤ教徒が暮らす地区の主要な広場に6月30日、数千人の男性が集まり、超正統派ユダヤ教徒を徴兵対象に含めるよう政府に命じたイスラエル最高裁の判断に対して抗議の声を上げた。
最高裁は同月25日の命令により、76年前の建国以来維持してきた超正統派ユダヤ教徒に対する事実上の兵役免除を覆していた。30日の集会はこの命令に抗議するために開かれた。参加者はプラカードなどを通じ、命令が同国の宗教教育を攻撃するものだと訴えた。
今回の抗議は、イスラエルにおける超正統派ユダヤ教徒とその他の国民との社会的分断を浮き彫りにする。ネタニヤフ首相が政権維持に向けて超正統派ユダヤ教徒を頼る一方、国民の多くは全イスラエル国民が兵役に就くべきであり、戦時であればなおさらだと考えている。
超正統派ユダヤ教徒の男性の多くは若年期を就労に費やさず、政府の補助金により一部運営される宗教学校で勉強して過ごす。彼らの大多数にとって、勉強から離れて徴兵の対象となるのは単純に論外と見なされる。
ヨルダン川西岸地区にある大規模な超正統派ユダヤ教徒の地区から抗議に参加した22歳の男性は、「我々は徴兵に応じない」と明言。「(イスラエル)国家の建設以来、我々が徴兵されたことはない。(中略)今、強制的に(兵役に)就かせようとしているが、絶対にうまくいかないだろう」と述べた。
その上で、兵役拒否により投獄されても怖くはないと主張。投獄される人が増えれば増えるほど、抗議の声に拍車がかかるはずだと語った。
抗議集会では投石やごみへの放火などの行為で5人が逮捕された。さらに自らも超正統派ユダヤ教徒である閣僚の車が襲われる事態も起きていた。