がん患者含む傷病児、包囲下のガザを脱出 数週間ぶりの医療避難

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ガザの病院のマットレスに横たわり、母親に頭をなでてもらうヤスミンちゃん
/CNN

ガザの病院のマットレスに横たわり、母親に頭をなでてもらうヤスミンちゃん /CNN

(CNN) 戦禍に見舞われているパレスチナ自治区ガザ地区からがん患者を含む傷病児らが検問所を通じて脱出し、エジプトのカイロに逃れた。イスラエル軍が先月、ガザ地区南部ラファへの侵攻を開始して以降、初めての医療避難となった。

イスラエル当局によると、子どもの同伴者を含む68人のカイロへの移送は27日に行われた。ガザへの支援の承認に責任を負うイスラエルの機関がイスラエル軍、米国、エジプト、世界保健機関(WHO)と連携して移送の調整に携わった。

移送の知らせを受け、当該の子どもたちの親には安堵(あんど)の瞬間が訪れた。イスラエル軍によるガザ爆撃が8カ月以上続く間、子どもたちは命を救うための治療にアクセスできない状態が続いていた。

ガザにあるナセル病院をCNNが25日に撮影した動画には、5歳の血液がん患者、ヤスミンちゃんが痛みに身をよじる様子が映っている。やせ細った四肢を伸ばし、マットレスに横たわった状態だ。

母親によると、ヤスミンちゃんは複数の病院を回って血液治療を受けているが、痛みは日々強くなる一方だった。ヤスミンちゃんは今回の医療避難でガザを離れた子どもの一人だ。

WHOのテドロス事務局長は28日に医療避難の実施を歓迎。エジプトやヨルダン川西岸、東エルサレムに向けた避難ルートを増やすよう要請した。必要ならそれらの地域から他国へ移送する経路も設置するよう求めた。

しかしイスラエルによるガザの包囲は依然として続き、飢餓の恐れも高まっている。パレスチナ人の当局者らは今回の医療避難は「大海の一滴」に過ぎないと警告。重病を抱えた子どもたち数百人が、まだガザ地区に閉じ込められていると訴えた。

ガザ保健省の28日の報告によると、現在他国での緊急治療を必要とする病人の数は2万5000人を超える。このうちがんを抱えた子どもが980人いるという。

イスラエル軍の作戦行動を受け、現地の医療システムや食糧供給は枯渇している。

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