ガザ支援物資、滞留して届かず 浮桟橋の運用再開も
(CNN) 米軍がパレスチナ自治区ガザ地区の沖合に建設した支援物資を受け入れるための浮桟橋は運用が再開されたものの、浮桟橋を経由した支援物資がその先で滞留し、支援を必要としている人たちに届いていないことがわかった。CNNの取材班が25日、現地を取材した。
米軍によれば、現在は1日あたりパレット約800個分の支援物資が浮桟橋を経由してガザに送られている。これはトラック約40台に相当する量。しかし、これまでのところ、こうした支援物資はガザでの悪化する人道状況の緩和にはつながっていない。ガザでは200万人余りの人々が破滅的な水準の食料危機に直面している。
米軍当局者によれば、パレット6000個以上が積み上げられて陸上に搬送されるのを待っている状態。国連世界食糧計画(WFP)は治安上の懸念から支援物資の収集を一時停止している。
桟橋はパレスチナ自治区ガザ地区へ海上から人道支援物資を届ける取り組みの一環/CNN
CNNの取材班は25日、浮桟橋での取材を許可された。立ち入りが認められたのは先月に浮桟橋がガザの沖合に設置されてから初めて。取材班は、トラックが船を降り浮桟橋を越えてガザの海岸線へ向かう様子を目撃した。
浮桟橋は何百トンもの鋼鉄でできた連結式の海上に浮かぶプラットフォームで構成されており、波が下を通過するたびに、ガタガタと音をたてる。両側に位置するタグボートが浮桟橋を安定させようとしている。米軍の要員や民間のトラックの安全にはイスラエル軍の部隊が責任を持つ。
今回の訪問では、約9カ月にわたる戦争がガザの海岸線にもたらした甚大な破壊の様子を目撃することもできた。目に入る建物のほとんどが倒壊するか激しく損傷していた。