移民の主要密航経路「ダリエン地峡」の封鎖で合意、米とパナマ
(CNN) 中米のパナマ政府は4日までに、同国と南米コロンビアの国境線にある山岳の熱帯雨林地帯「ダリエン地峡」を通過する不法移民の根絶を狙った対策について米国と合意したと発表した。
パナマのハビエル・マルティネス・アチャ外相と米国のマヨルカス国土安全保障長官が合意事項に署名。パナマ政府の声明によると、ダリエン地峡に不法に入った移民らの送還費用は米政府が負担する。
同地峡では、命を賭して長さ約106キロとされる山道などの踏破を試みる移民らが増加。コロンビアからパナマに入り、その後に米国やカナダへの入国を思い描く移民らの主要な密航経路となっている。
パナマのホセ・ラウル・ムリノ新大統領は最近の就任式典で、「麻薬や人身売買に関与する国際組織が送り込んで不法入国する何千もの人々にパナマが開かれた道となるのを容認しない」などと強調していた。
移民らがダリエン地峡に及ぼしている人道、環境両面での危機の規模や問題の大きさをじかに目撃したとも説明。「地峡は我々だけでなく、周辺地域にとて大切な緑地であり続けなければならない」とし、「その生物多様性を不法な活動によって危機にさらすことはできない」と言明した。
パナマのデータによると、今年1月から6月6日までにかけてダリエン地峡に踏み入った移民らは少なくとも17万4513人。昨年のほぼ同期の16万6000人以上より多い。23年通年では約52万人と過去最多だった。