トランプ氏、再選ならウクライナの「和平仲介」する用意 ハンガリー首相が見解
(CNN) ハンガリーのオルバン首相は17日までに、欧州の指導者らに対して、米国のトランプ前大統領が再選された場合には本人自らロシアとウクライナの間に立ち、「和平の仲介役として行動する用意がある」と告げた。
欧州では、トランプ氏が再選すればウクライナ政府に向けてロシアへの領土割譲を迫るのではないかとの懸念が広がっている。
オルバン氏は欧州理事会のミシェル議長と欧州連合(EU)加盟国の全首脳に書簡を送り、トランプ氏が再選を果たせば「大統領就任を待たず、和平の仲介役として行動する準備を即座に整えるだろう」と指摘。同氏にはそのための詳細かつ根拠の十分な計画があるとの見解を示した。
書簡の執筆に先駆け、オルバン氏はトランプ氏やロシアのプーチン大統領、中国の習近平(シーチンピン)国家主席と会談し、物議を醸していた。
書簡の中でオルバン氏は、これらの会談の間、ウクライナでの軍事衝突の強度は近い将来劇的に高まるとする「全体的な観測」があったと明らかにした。
その上で、トランプ氏が大統領に返り咲けばウクライナへの支援を切り詰める可能性があるとも示唆。ウクライナ向けの財政支援に関しては、米国とEUの負担の比率が著しく変化し、EUにとって不利な結果になる公算が大きいとした。
オルバン氏は今月初めにウクライナを訪れ、ゼレンスキー大統領とも会談している。
書簡ではEU首脳に対し、緊張緩和に向けた取り組みを実施し、一時的な停戦のための状況を整えるよう要求。その上でロシアとウクライナの間での和平交渉を開始するよう呼び掛けた。
トランプ氏は昨年、CNN主催の対話集会でウクライナ情勢について、「自分が大統領なら、1日で戦争を終わらせる」と語っていた。