バンス議員を副大統領候補に指名、トランプ氏選考の経緯は

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共和党全国大会で副大統領候補のバンス上院議員(右)を見つめるトランプ前米大統領=15日、ミルウォーキー/Will Lanzoni/CNN

共和党全国大会で副大統領候補のバンス上院議員(右)を見つめるトランプ前米大統領=15日、ミルウォーキー/Will Lanzoni/CNN

(CNN) 11月の米大統領選で共和党からの指名を確実にしていたトランプ前大統領は、何カ月にもわたり関係者らと非公開の協議を進めた後、副大統領候補選出の期限の前日になって、電話で新たな声を受け取った。

その人物は、電気自動車(EV)大手テスラの最高経営責任者(CEO)で富豪のイーロン・マスク氏。マスク氏は、J・D・バンス上院議員(オハイオ州選出)を選ぶよう最後の瞬間に促した複数人のうちの一人だった。

トランプ氏は15日、ついに、副大統領候補にバンス氏を選んだと発表した。

トランプ氏が、上院議員としては1期目で自身の半分の年齢のバンス氏にどうやってたどり着いたのかという過程は、演出が巧みな人物としての本能と慢性的な優柔不断さを物語る。副大統領候補選考の過程は、トランプ氏がホストを務めたリアリティー番組「アプレンティス」とよく似ている。絶え間なくうわさ話が持ち上がるが、その多くはトランプ氏自身によるものだ。舞台裏では声高な派閥争いが繰り広げられる。秘密の選考過程によって、候補者は何週間も状況がつかめない状況に置かれる。そして、ウィスコンシン州ミルウォーキーでの共和党全国大会の開幕に興趣を添える驚きの発表。

トランプ氏は今回の決断について15日午後に、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」を通じて発表した。トランプ氏はフォロワーに対し、バンス氏について、副大統領候補としての役割に最適な人物だと説明した。複数の情報筋によれば、トランプ氏がバンス氏に対して副大統領候補に指名するとの情報を伝えたのは発表の直前だった。

トランプ氏とバンス氏との「政略結婚」はすぐに成立したものではなかった。今年に入って、トランプ氏は共和党からの指名獲得に向けて取り組んでいたが、バンス氏は依然として、トランプ陣営から副大統領候補の選考に参加する可能性について打診すら受けていなかった。

トランプ氏が指名獲得に向けた予備選を優位に進めるなか、副大統領候補の選考の動きが始まった。バンス氏の陣営も自身の名前を耳にし始める。トランプ氏は献金者や身内との夕食会で、自身の口から候補者の名前を出すことで知られている。これがバンス氏にまつわる初期の計略のきっかけとなった。バンス陣営が、トランプ氏がバンス氏を正式に検討していることについて初めて認識したのは、6月上旬に副大統領候補の選考書類を受け取ったときだった。

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