バンス議員を副大統領候補に指名、トランプ氏選考の経緯は
トランプ氏とバンス氏の人間関係が大きく発展したのは春から夏にかけてで、選挙のイベントや非公開の献金者の集まりに一緒に参加してからだった。元ベンチャーキャピタリストのバンス氏は、トランプ氏と裕福なIT起業家とを引き合わせる役割を果たした。
情報筋によれば、15日の発表前に2人が最後に顔を合わせたのは13日で、トランプ氏の邸宅「マール・ア・ラーゴ」でのことだった。この数時間後にトランプ氏はペンシルベニア州バトラーに向かった。情報筋のひとりは、その時の会談について「職を得るための最終面接」だったと表現した。
情報筋によれば、バンス氏はマール・ア・ラーゴを去る際、チャンスがあることは信じていたものの、実際に選ばれたのかどうかについては確信が持てていなかった。一方、トランプ氏は公の場でも非公開の場でも、他の副大統領候補について、引き続き言及していた。こうした副大統領候補の中には、ノースダコタ州知事のダグ・バーガム氏や、マルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州選出)が含まれていた。両者は先週、トランプ氏と面会していた。
バーガム氏とルビオ氏による水面下でのロビー活動は最後の数時間まで続いた。トランプ氏には、ティム・スコット上院議員(サウスカロライナ州選出)やバージニア州知事のグレン・ヤンキン氏を推す電話もあった。情報筋によれば、トランプ氏は最後の24時間になっても考えを巡らせ、側近でさえ最後の人選については推測するしかなかったという。
こうした絶え間ない電話でのやり取りは、マイク・ペンス氏を選出した後にもためらいを見せた2016年の選考過程と同じものだ。ペンス氏が共和党からの副大統領候補として選ばれたことを知った際の電話では、トランプ氏はペンス氏に正式に依頼をすることはなく、副大統領候補としての出馬を示唆するにとどまった。