ノーベル物理学賞に米・カナダの2氏 AI研究の先駆者
(CNN) スウェーデン王立アカデミーは8日、今年のノーベル物理学賞を、人工知能(AI)研究の先駆者となった米国とカナダの2氏に授与すると発表した。
受賞者は米プリンストン大学のジョン・ホップフィールド氏と、カナダ・トロント大学のジェフリー・ヒントン氏。
人工の神経回路「ニューラルネットワーク」による機械学習のモデルを考案し、AIの基盤を築いた功績が認められた。
選考委員会は「コンピューターが考えることはできないが、今では機械が記憶や学習などの機能を模倣できる。今年の物理学賞受賞者たちが、これを可能にすることに貢献した」と述べた。両氏が物理学の基本概念と手法を利用し、情報処理ネットワークの構造を使う技術を開発したことによって、この20年間に機械学習は爆発的に発展したとも指摘した。
「AIの父」とも呼ばれるヒントン氏は、会場との電話インタビューで受賞に「仰天している」と話した。
記者団から自身の研究が社会に与える影響を問われて「産業革命に匹敵する」ほど大きいと答え、「人間の知的能力を超えるだろう。私たちは知性を何かに越されるという経験をしたことがない」と指摘した。
AIは医療や生産性の大きな発展につながる一方、制御不能になる危険性など、いくつかの「悪い結果」を心配しなければならないとも語った。