ナチスに撃沈のブラジル艦船、残骸の場所を正式確認 沈没から80年超
第2次大戦で兵士を海外派遣した南米の国はブラジルのみ。海軍史の専門家ロベルト・サンデル氏によると、ドイツのUボートは大西洋の戦いの期間を通じてブラジル沿岸で目を光らせ、艦船34隻を撃沈、1081人を殺害した。サンデル氏は「ビタル・デ・オリベイラ」の撃沈について、ブラジル海軍にとって第2次大戦で「最大の損失になった」と評する。乗船していた270人のうち、99人が命を落としたという。
サンデル氏は2007年、「60年以上が経過した今なお、ブラジルの艦船の大部分は手つかずの状態で海底に沈んでいる」とつづり、場所については「探査装置」で確認するしかないだろうと推測していた。
海軍の声明では、ビタル・デ・オリベイラは「マルチビームとサイドスキャンソナーを用いて」発見されたと説明している。
米海洋大気庁(NOAA)によると、どちらの手法も音波を扇形に発射して海底を走査するもので、水中考古学では沈没船を詳細に視覚化する目的で併用されることが多い。