ナチスに撃沈のブラジル艦船、残骸の場所を正式確認 沈没から80年超
(CNN) ブラジル海軍は今週、第2次世界大戦中にナチス・ドイツの魚雷攻撃で撃沈された兵員輸送船の沈没場所を正式確認した。リオデジャネイロ沖の海中に沈んでから80年以上が経つ。
「ビタル・デ・オリベイラ」の残骸が最初に見つかったのは2011年。発見したのはブラジル人兄弟だった。だが昨年7月の時点でも、ブラジル海軍は地元紙の取材に対し、沖合45キロの場所に沈む残骸が本当にこの船のものなのか確認できないと述べていた。
ブラジル海軍は今回、兄弟の14年前の発見が事実だったことを正式に確認した。兄弟はこの年の1月16日、ソナー映像を使って残骸の場所を突き止めていた。
CNNは兄弟の残骸発見を支援したダイバーの1人に連絡を取ったものの、返答はなかった。当初の発見について記録したブラジル人のドキュメンタリー映像作家はCNNにメールで、「もう10年近くこの物語を伝えようと試みているが、これまでは誰も関心を持ってくれなかった」と説明した。
「ビタル・デ・オリベイラ」は1910年に建造された民間船で、ブラジルが連合国側で第2次世界大戦に参戦した際、海軍の補助艦として艤装(ぎそう)された。44年6月19日の真夜中ごろ、ブラジル沿岸で物資や兵士の輸送に当たっていたところ、ドイツのUボートが発射した魚雷が船尾に命中した。