子ども1人に父3人と母1人、裁判所が正式登録認める ブラジル
(CNN) ブラジル南東部エスピリトサント州の裁判所が、10歳の男の子を3人の父親と1人の母親の子どもとして正式に登録することを認める判決を言い渡した。CNN提携局のCNNブラジルが弁護士の話として伝えた。
弁護士によると、男の子は出生時は実の父親と母親の間の子どもとして登録された。しかし両親の複雑な婚姻関係が原因で、父方のおじとおじの夫がこの子どもの面倒を見ることが増え、感情的な絆が生まれたという。
実の両親が離婚すると、男の子は常時おじたちと一緒に暮らすようになった。「彼らはこの子の健康、教育、食事、遊びの面倒を見て、元気に育つよう愛情と安心も与えた」と弁護士は話す。
子どもは学校に入学すると、「自分には3人の父親がいる」という自分にとっての真実を正式に認定してほしいと思うようになった。
一家が認定を求めて2019年に起こした裁判は、一審では退けられた。父方の親権の変更は養子縁組を通じてしか認められないとの判断だった。
しかし子どもはおじたちと強い絆で結ばれる一方で、実の両親も親と認識していたことから、養子縁組は望まなかった。
今月21日、別の裁判所が一家の訴えを認め、おじの同性カップルを正式な両親として登録するよう言い渡した。これで男の子は正式に、3人の父と1人の母を持つことになった。
弁護士は、子どもが感じていたおじとその夫の愛情や愛着が、裁判所の判断の根拠になったと強調。「家族にはさまざまな形や種類があって、愛情の絆を強めていることを認める判断だった」と話している。
ブラジルでは同性カップルの養子縁組が10年に合法化された。