シリア政府軍、中部パルミラをISISから奪還
(CNN) シリアの国営メディアによると、同国の政府軍は27日、昨年から過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に支配されていた中部パルミラを奪還した。
中東メディアのアルイフバリヤの報道によると、軍は政府系民兵組織と協力してパルミラを制圧し、ISISの戦闘員らを追放した。国営シリア・アラブ通信(SANA)は軍司令官の話として、奪還作戦ではロシア空軍が中心的な役割を果たしたと伝えている。
ISISは昨年5月にパルミラを占拠。世界的に大きな価値のある遺跡を相次いで破壊し、その画像を公開した。遺跡の保護に携わっていた専門家も殺害した。
政府軍は先週、パルミラの城砦(じょうさい)を奪還し、ISISの潜伏先を破壊した。ISISの戦闘員らは次々に逃走していた。国営メディアによると、政府軍は市内へ進攻してISISが残した爆弾を解体し、27日までに市全域を掌握した。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)のイリナ・ボコバ事務局長は「過去1年間にわたり、パルミラは中東にはびこる文化浄化の象徴だった」と指摘。治安状況が落ち着き次第、ユネスコが同市に入って損失を調査すると表明し、遺跡破壊の犯人は処罰されるだろうと述べた。