タイ、娯楽目的の大麻使用を禁止へ 歴史的な合法化から1年半
タイ・バンコク(CNN) タイ政権が娯楽目的の大麻使用を禁じる新たな法案の可決に動いている。アジアで初めて大麻を合法化してから1年半を経て、大きな方針転換となる。
タイでは法律の緩和を受け、地元住民と観光客の双方にサービスを提供するマリフアナ産業が活況を呈していた。しかし、昨年後半に新たな保守連立政権が権力を握り、規則を厳格化して医療使用のみを認める方針を打ち出した。
タイ保健省によって9日に公開された法案は、違反者に多額の罰金または1年以下の禁錮刑を科す内容。罰金と禁錮刑の両方が科される場合もある。
法案では大麻や大麻関連製品は今後、医療・健康用途のみに限定すると明記。タイのセター首相が昨年9月、新政権は6カ月以内に大麻関連法を「改正」すると約束したことに呼応した措置となる。
公共の場でのマリフアナ吸引は法律緩和後も違法とされていたが、今回提案された新法では、大麻の芽や抽出物などの宣伝やマーケティングも禁止される。
セター氏はかねて娯楽目的の大麻を禁止する考えを公言しており、複数のインタビューで、薬物乱用は「タイにとって大きな問題」だと語っていた。
CNNは今回の提案に関しタイ保健省にさらなるコメントを求めている。
タイは2022年6月、アジアで最初に大麻を合法化した。マリフアナの所持や消費、違法取引に長期刑や死刑が科されることが多い東南アジアでは異例の措置だった。
近隣の香港では、精神活性作用のないカンナビジオール(CBD)ですら違法となる。シンガポールは依然として薬物の違法取引に死刑を科しており、タイに旅行する国民に対し、海外で大麻を吸引すれば帰国後に訴追される可能性があると警告している。