ロシア、自国のファストフードチェーン育成へ 欧米に対抗
ロンドン(CNNMoney) ロシアの地元メディアによると、同国の著名な映画監督であるニキータ・ミハルコフ氏は11日までに、欧米のファストフードチェーンに対抗するレストラン事業をロシア内で展開する計画を明らかにした。
9日には同国のアルカジー・ドゥボルコビッチ副首相と会談し、最初の事業費約10億ルーブル(約22億4000万円)の7割を国の融資で賄う保証を得た。同監督はプーチン大統領に書簡も送り、「国内で食べよう!」と銘打つ愛国的なレストラン事業への支援も要請した。
この書簡によると、事業ではレストラン41店と91カ所で屋台方式の飲食店を系列下に置く。食材は全てロシア国内産を用いて、農業生産力の向上も図る。メニューの約3分の1はそれぞれの地方の郷土料理を想定する。
ミハルコフ氏は1995年、映画「太陽に灼かれて」でアカデミー賞を受賞。プーチン氏支持を公にしており、2人は友人の間柄ともされる。
ただ、今回のレストラン事業計画への国家支援についてはクドリン元財務相が中小企業を追い詰めるものと批判している。
ロシアは現在、ウクライナ危機などに絡む欧米諸国の経済制裁に対抗し、多くの欧州産食品の輸入を禁じている。政治的な思惑でロシア国内で展開する欧米のファストフード店も締め付けているとされ、米マクドナルドの複数の系列店は衛生対策を理由に閉鎖に追い込まれた。同社は昨年春、ロシアのクリミア半島併合に伴い、同地から撤退していた。