東芝、半導体事業を2兆円で売却へ アップル含む企業連合に
香港(CNNMoney) 東芝は20日、半導体事業を約2兆円で米アップルを含む企業連合に売却することを決めた。
東芝は債務危機を切り抜けるために大型資産の売却を進めている。半導体事業はその目玉で、台湾の鴻海精密工業など世界の大手テクノロジー企業の関心を集めてきた。
だが数カ月にわたる迷走を経て、東芝は米投資ファンドのベインキャピタル率いるコンソーシアム(企業連合)を売却先として選んだ。このコンソーシアムにはアップルやデルなど日米の複数の企業も参加を決めている。
ベインによれば、他にも米フラッシュメモリー大手のキングストンや、米データストレージ大手のシーゲイトなどが出資。こうした顔ぶれを見ても、世界のテクノロジー産業における東芝の半導体事業の重要性がうかがえる。
日本には半導体技術が海外に流出することへの強い懸念があり、一時は政府系の産業革新機構を軸とした売却案がまとまりかけたが実現しなかった。
今回の案では東芝が3500億円を出資するほか、将来的には産業革新機構や日本政策投資銀行も出資を行う可能性がある。
東芝は今回、ベインを軸としたコンソーシアムを売却先に選んだ理由として、外国企業の経営への関与が限定され、半導体事業の独立性が保たれることを挙げた。
一方、子会社のサンディスクが東芝と協業を行っている米半導体大手ウエスタンデジタル(WD)は売却に反対。サンディスクは20日、売却は合弁合意への「報復的な違反」だとして国際仲裁裁判所に訴えを起こした。