カタール、準備金4.2兆円取り崩し 禁輸で経済に逆風
ドバイ(CNNMoney) 中東カタールが今年6月、近隣4カ国に外交、貿易関係を断絶された後、輸入品を確保するため緊急事態用などの準備金を今年6、7両月、計385億米ドル(現在のレートで約4兆2000億円)取り崩していたことが17日までにわかった。
米格付け大手ムーディーズが明らかにした。断交や交通網、貿易交流を遮断したのはサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンにエジプト。
カタールはそれまで食料品の3分の1など輸入品の多くをサウジとUAEに依存。建設資材の大半も2カ国が供給先だった。外交断絶を受けトルコやイランを新たな輸入先としたが、食料品や医薬品確保でそれだけコスト負担増を強いられた。
4カ国の断交理由はテロ支援などだが、カタールはその主張を否定している。
周辺国との外交危機を受け、カタールは自国通貨リヤルの対ドル為替レートを維持するため準備金を取り崩しての市場介入を余儀なくされた。6、7両月には相当額の資金逃避を補てんするため銀行業界に大金を注入することも強いられた。両月に銀行から引き出された資金は約300億ドルともされた。