中国系企業による米半導体の買収、トランプ大統領が阻止
ニューヨーク(CNNMoney) 中国政府と関係のある投資会社キャニオン・ブリッジ・キャピタル・パートナーズが米半導体大手ラティス・セミコンダクターズの買収を計画していた問題で、トランプ米大統領は13日、国の安全保障上の理由から買収の阻止を指示した。
ムニューシン米財務長官は同日、声明を出し、「米国の安全保障を守り抜くために必要なあらゆる手段を取るという政権の約束に沿う形で、大統領は買収を禁じる命令を出した」と述べた。
ムニューシン長官は、買収計画の安全保障上のリスクとして、キャニオンへの「知的財産の移転の可能性」や「この取引を支援した中国政府の役割」を挙げた。
外国と関係のある組織による米企業の買収を審査する対米外国投資委員会は、ラティス買収の中止を勧告していた。
ラティスとキャニオンはともに、買収は米国の雇用増をもたらすと主張していた。国内雇用の促進はトランプ政権の重要課題だ。
ラティスによれば、キャニオンはオレゴン州で300人を雇用しており、買収が実現すればさらに350人を雇用する計画だったという。
キャニオンは声明を出し、トランプ大統領の決定に「失望した」と述べるとともに、買収案はラティスにとっても「米国内で雇用を維持するチャンスの拡大」にとっても「すばらしい取引」だったと主張した。
ラティスからのコメントは得られなかった。
昨年11月に発表された際には、買収額は13億ドルとされていた。
調査会社ローディアム・グループによれば、中国からの米企業への投資額は今年だけですでに250億ドルに達している。