米デルタ航空、エアバスから大量調達か ボ社に痛手
シアトル(CNNMoney) 米大手のデルタ航空が欧州エアバスの旅客機「A321ネオ」を約100機購入する計画を進めていることが14日までにわかった。この交渉の経緯に詳しい2人の消息筋が明らかにした。
米アトランタに本社があるデルタは13日にこの調達合意を発表する見通し。幹部陣の会合で採決を行い契約の是非を決めるという。エンジンは米プラット・アンド・ホイットニーが供給する予定。
契約が成立すれば、エアバスの競合企業である米ボーイングには痛手となりそう。消息筋によると、デルタとボーイングはこれまで同社製旅客機「737マックス10」型機の約100機購入で話し合いを続けて来たという。
A321ネオの選択に傾いた理由は伝えられていない。ただ、両社はデルタによるカナダのボンバルディア社製の短距離用旅客機「Cシリーズ」の調達計画を巡り対立。ボーイングは同シリーズの売却値段は不当に安いとしてボンバルディア社を非難し、米商務省は同機購入に300%の予備的な関税上乗せを提案していた。同社とカナダ政府はこの商談に関し不当な貿易行為を否定している。
エアバスは単一通路型のA321機をドイツ・ハンブルクで生産。しかし、米アラバマ州モービルに米航空会社向けの旅客機製造工場を既に設けており、デルタに引き渡すA321ネオの一部はこの工場で組み立てられる可能性もある。