国民の半分、少なくとも1回は賄賂の支払い経験 インド調査
(CNN) インドの独立系の反汚職組織は12月1日までに、同国で過去1年の間、賄賂を支払った経験がある国民は少なくとも2人に1人の割合になるとの新たな調査報告書を公表した。
賄賂は同国の日常生活の「本質的な構成要因」と化しているとも形容した。調査は「トランスペアレンシー・インターナショナル・インド(TII)」などが実施。同国の全28州のうち20州で19万件の回答を得た。
賄賂は過去1年で10%減ったものの依然まん延していると指摘。回答者の51%が過去に支払ったと認めた。報道発表文によると、地方行政当局での賄賂や見返り要求などが特に深刻だという。
回答者の約24%が過去1年で賄賂を複数回払ったとし、1~2回応じたとするのが27%だった。
汚職が著しいのは不動産登記や土地問題の分野で4分の1以上が関連当局に支払ったとした。警察が19%で、税務当局、運輸関連や自治体関連企業などが後に続いた。
インドの中央政府は腐敗根絶に着手し、昨年は反汚職法案を修正し監視機関の創立などの対策を講じた。修正法案で汚職行為は最長で禁錮7年あるいは罰金、もしくは両方の罰則の適用も決めた。
今回の調査報告書は中央政府の対策の効果は一部出ているものの地方部ではまだ浸透していないと説明。調査の回答者のうち州もしくは地方自治体レベルによる汚職対策を評価するのは6%に過ぎず、現状に変化ないとする見方が多数だった。
TIIの所属組織「トランスペアレンシー・インターナショナル」は、インドの公共部門における汚職指数は41と位置付けている。この指数で50以下は汚職が深刻な段階にあるとみなされている。